ピラセタム(Piracetam)

ピラセタムは、元々、認知機能の向上を目的として創られた合成薬であり、ラセタム系のプロトタイプ(原型)となっている。

ピラセタムと脳

細胞膜の流動性の改善

ピラセタムの認知力改善メカニズムは、完全には明らかになっていない。最も新しく有力な見解は、老化と共に機能が低下する脳の「細胞膜の流動性が改善する」ことにより、認知症との関連性が高いミトコンドリア機能を向上させる役割を果たすとしている[7,8,11]

この仮説が正しいのなら、若者ほどピラセタムによる効果が得られないことになる。

抗血栓作用

ピラセタムの抗血栓作用は、ヒトに起こることが、かなり長い間(1975年)から知られている。ラットで200mg/kg[15]、ヒトで4.8(1.6gx3)/日から観測され、1.6gと3.2gでは明らかな効果の差はみられなかった[5]

酸素・グルコース消費量の増加

上昇した脳酸素消費量は、低酸素状態にあるか[16]、培養された神経細胞でみられる[13]。これらの観測はグルコース消費を示し、グルコースの酸化との関係が調査され、ラットにおいて上昇が認められた[12]。ヒトにおいても、6g/日(2週間)の点滴で著しい上昇がみられている[14]

興味深いことに、前述の研究では、痴呆症患者をアルツハイマーであるか、ないかで分け、アルツハイマー群のみ統計的に十分な8-10%のグルコース消費量の増加がみられた[14]。故に、認知的に障害を持つ患者に対して、特有なメカニズムを持つことを示唆している。

用量・用法

子供

子供の標準用量は、40-100mg/kgの範囲が一般的で、最も使用されている用量は、40-50mg/kgである。この用量は、現在の主なピラセタムの使用目的である、息止め発作に使われている。また、失読症改善のためにも以前使われていた。

大人

1,200-4,800mg/日の範囲で、2-3回に分けて摂取するのが一般的である。最も効果的な用量は、1回1600mgを3回、4800mg/日が最も効果的である。

数々の臨床試験で高用量に高い効果を示し、「1回の服用が4.8g以上が最も効果的」ということがネットで推奨されている(※肝臓が悪い人は注意)。そのため、日に4.8g以上摂取する人も少なくない。

水溶性であるため食事と一緒に取る必要はない。急速に脳内のアセチルコリンが消費されるため、コリンソースと摂取することが勧められている。

副作用・安全性

副作用は、短期間で稀であるが、不安・不眠・眠気・興奮などが2010年のメタ解析によって報告されている[17]

長期的な安全性・有効性の調査では、てんかん患者に3.2g/日[18]、アルツハイマー患者に8g/日を[19]、それぞれ1年継続しても、いかなる副作用を報告していない。

また、5-60ヶ月の幼児に対して、息止め発作の治療薬として臨床利用がされている。

体験談・評価

脳の細胞膜の流動性の改善が主な役割であり、向知性薬でなく認知機能保護・改善薬として期待される。軽度の認知症を改善を示す臨床データや[1,3,6]、メタ解析でも「あらゆる認知障害に対して効果的である"有力な証拠"がある」ことが結論付けられている[10]

健常者を対象とした調査では、2週間で言語記憶の向上示す臨床データがある[2]。しかし、スマドラ利用としての追跡研究は行われていないため、エビデンスに乏しい。海外では一つのことに焦点を合わせられない人に好まれ、かなり高評価を得ている一方、スマドラ利用としては”効果がない”という報告が非常に多い。

自身の使用経験から言えば、「雑念が消える」「ロボットみたく作業できる」「報酬(reward)を求めなくなる」というのが感想である。ただ正直、即効性を体感できるか、できないかと言えば、「できないだろう」と思っている。長期的摂取の効果を期待するのも馬鹿らしいので、今後は摂取することはない。