クルクミン(Curcumin)

クルクミンは、ウコン(別名:ターメリック)から抽出された山吹色のポリフェノールの1種である。中国とインドで医薬用途の長い歴史を持つ。今日では、クルクミンは癌からアルツハイマー病に及ぶ、幅広い疾患の治療薬として研究されている。

クルクミンが吸収されると、急速にグルクロン酸抱合体、および硫酸抱合体に代謝される[10]。これらの抱合体は末梢作用を有するが、血液脳関門(BBB)を通過するのは難しいとみられる。

バイオアベイラビリティはクルクミン抱合体の形成を、ピペリン等の物質によって阻害することによって著しく増加する。ある健康な人間に対して行われた研究では、ピペリンとの同時投与で、クルクミンのバイオアベイラビリティが2000%上昇した結果もある[11]

米カリフォルニア大学ロサンゼルス校のアルツハイマー実験室で開発された、固体脂質クルクミン粒子製剤(Longvida)もまた、抱合体になる問題を回避し、血液脳関門を通過することが示唆されている。650mg(Longvida)は、2gクルクミンと20mピペリンと比べ、2倍のフリー体(フリー体だけがBBBを通過できる)を保持するようである[12]。また、40-60代の健常者を対象に行われた調査では、80mのLongvidaで、アルツハイマーの要因であるアミロイドβタンパク質の減少が、わずか30日間でみられた。半減期も他の製剤と比べ長いとされる。

クルクミンと脳

認知機能の改善

特定の個体脂質クルクミン製剤(400mgのLongvida)は、BBB(血液脳関門)を通過でき、アルツハイマー病の症状の緩和だけでなく[9]。、健康な高齢者の認知機能(ワーキングメモリ・気分・持続的注意)を改善に貢献するとみられる[1]。動物実験では、海馬の神経新生・BDNFの増加によって、抗うつ作用を持つ可能性があるとしている[2][3][4][5]

抗炎症・抗酸化作用

クルクミンは、抗炎症、抗酸化、また抗糖尿病の作用を有する[6][7][8]

血流改善

摂取量

一部でなく全身性の効果を目的とするなら、吸収が強化されたものだと仮定して、80-500mgのクルクミンが経口摂取で必要である。脂溶性であるため食事と一緒に摂取が勧められる。しかし、クルクミンは本質的に吸収率が非常に悪く、下記の一つ製法であることが必須である。

  • 固体脂質クルクミン(Longvida)
  • ブラックペッパーと組み合わせ(ピペリン)
  • ホスファチジルコリン複合体であるクルクミン・フィトサム(MerivaBCM-95)
  • ナノ化クルクミン(Theracurmin)
  • 水溶性クルクミン(ポリビニルピロリドン)

上記の製法が使用されていないのなら、ほとんど吸収されない。4000mgの用量でさえ、まったく吸収されないとみられる(8-16gでも微少しか吸収されない)。

腸内環境の正常化目的なら、腸から血液への吸収は必要ではない。このため、ターメリック(ウコン)を2-4g/日か、前述した製法以外のクルクミンのサプリメントで良い。

副作用・安全性

クルクミンの抗癌作用を調べた、ヒトにおける臨床試験では、10g/日で目立った急性毒性が生じることがなかった[13]。また、8ヶ月にわたる1g/日のMERIVA(ホスファチジルコリン複合体)では、明らかな副作用は見られなかった。