アドラフィニル(adrafinil)

モダフィニル薬物群の最も古いものがアドラフィニルであり、モダフィニルのプロドラッグである。つまり、代謝によりモダフィニルに変換される。モダフィニルと同様に、WADAで禁止されるドーピング薬物でもある。第一種向精神薬として指定されているため、日本から個人輸入すると違法になる。

アドラフィニル分子そのものが別の効果を持つとされ、モダフィニルと全く同じ効果であると推測するのは適切ではない。特に、モダフィニルより半減期が長く、肝臓に悪い懸念がある。

フランスの薬物評価機関は、「臨床試験をを行った結果、高齢者の覚醒・注意力障害に対しての有益性が確認できなかった」として、アドラフィニルを市場において、2011年度から医薬品販売承認をしないことを決定している[1]

アドラフィニルと脳

覚醒効果

マウスにおいて、64-256mg/kg投与で自発歩行が促進されることが、動物実験により認められる[2][3]。また、イヌにおいて時間・用量依存性を有することが示された[4]。この動物でみられる運動活動の増加は、アンフェタミンのような作用ではなく、不安感を誘発しないためユーグレゴリック(覚醒促進剤)によるものだと考えられる[5]

イヌにおける耐性を調べた動物実験では、20mg/kgの33日間の連続投与にでも、効果の大きさが維持されることが明らかになった[6]。睡眠の時間に効果がより発揮されることから、アドラフィニルにより誘発される運動活動の増加は、覚醒作用が要因であると仮説が立てられている。加えて、代謝産物であるモダフィニルの調査では、本来、起きている時間に対しては、運動活動の増加がないことが示されている[7]

摂取量

標準的な摂取量は、ナルコレプシーの治療目的で使用されていた600mgを、朝と正午に2回である(Olmifonが処方薬であった時に推奨されていた用量)。あるいは、単に覚醒目的なら、600-900mgを1日1回だけ服用する。現在では、処方薬となっているモダフィニルがより、これらの目的に適した薬剤であるため使用されていない。

アドラフィニルは睡眠を妨げ、カフェインやモダフィニルより長い半減期持つため、正午以降の服用は避けるべきである。ラットにおける調査では、半減期は約5時間である[8]。また、安全性の観点から、5カ月以内、週3回に抑えて摂取される傾向がある。

副作用・安全性

ラット実験では、経口投与による1ヶ月にわたる400mg/kg、または3ヶ月にわたる200mg/kg迄は、いかなる毒性の兆候は見られていない[9]。LD50(半数致死量)は、1250mg(マウス)、3400mg(ラット)で種類によって異なる。明らかな自殺未遂による4500mgのモダフィニルの摂取は、不眠症状、過度の興奮を引き起こしたが、24時間の入院により症状の改善が確認されている。

口腔顔面ジスキネジア

ある事例研究では、900mg/日を10ヶ月間の服用で、口腔顔面ジスキネジアが副作用として報告された。4カ月の休薬にも関わらず、症状は改善しなかったが、ドーパミンを枯渇させる薬品であるテトラベナジンの服用で回復した[10]。同様な副作用はモダフィニルでも見られ、モダフィニルの異常な代謝に関連があると考えられている[10]