クレアチンは認知機能に効果あり?【第1回】

木曜日, 9月 08, 2016

クレアチンが「脳に与える影響」については、近年議論されています。そのエビデンスを元にまとめています。

議論されている効果

  1. 若い健常者に対象に、睡眠不足で起こる実行機能複雑な課題の遂行に際し、課題ルールの維持やスイッチング、情報の更新などを行うことで、思考や行動を制御する認知システム低下の防ぐ
  2. 若いベジタリアン対象に、IQ、ワーキングメモリ(WM)の向上
  3. 健康的な年配の認知機能向上
  4. 若い雑食性の人では、意見が分かれている

調査は、主に健常者を対象としています。その分、個人的にかなり興味のあるサプリメントなので、いろいろ調べてみました。

今回は、「若い健常者に対して、睡眠不足に効果があるか」について限定したいと思います。この睡眠不足時における実行機能の維持については、自分の知っているだけで3つの調査があります。

効果を示すエビデンス

Effect of creatine supplementation and sleep deprivation, with mild exercise, on cognitive and psychomotor performance, mood state, and plasma concentrations of catecholamines and cortisol.(2006)

チチェスト大学のMcMorrisによって行われた調査では、

24時間の断眠後においてプラセボ郡より、気分・前頭葉に負荷のかかる課題において好影響をみせました

Following 24-h sleep deprivation, creatine supplementation had a positive effect on mood state and tasks that place a heavy stress on the prefrontal cortex.


そして、翌年に同様の調査を再び行っています。

Creatine supplementation, sleep deprivation, cortisol, melatonin and behavior.(2007)

2006年度の同様に、若い健常者を対象にしたが、”いくつの違い”がみられました。

  • 選択反応時間の向上がみられず
  • 気分に対して影響がみられず
  • 36時間の断眠のみで効果があった

There was no significant effect of creatine supplementation on choice reaction time. This is contrary to the findings of McMorris et al. [3].

Between-group data showed that a significant effect of creatine supplementation on RNG performance did not occur until the 36-h time period. This is different to the findings of McMorris et al. [3],

Creatine supplementation produced no significant differences between mood states for the creatine and placebo groups. This is contradictory to McMorris et al. [3]


前回と同様な結果がみられなかったものの、ストレス負荷のかかる複雑な課題(Complex Task)には効果がある!とうい点は同調しています。

It was concluded that, during sleep deprivation with moderate-intensity exercise, creatine supplementation only affects performance of complex central executive tasks.

反対の意見

Creatine supplementation does not improve cognitive function in young adults

2008年度のブルームズバーグ大学のRawsonによる研究によると、


通常時・睡眠不足時でも何も認知機能に影響しなかったぞ!まーガイキチなら効果あるかもなー

These results suggest that six weeks of creatine supplementation (0.03/g/kg/day) does not improve cognitive processing in non-sleep deprived young adults. Potentially, creatine supplementation only improves cognitive processing and psychomotor performance in individuals who have impaired cognitive processing abilities

という結論に!(訳は冗談ですが)

海外のネットでは、この論文に対して指摘をしています。

  • 0.03/g/kgは、80キロある人でも2.4g/日。McMorrisの調査や、他の調査で使われる量の半分以下(用量比較の調査では、0.03-0.05/g/kgは最もコスパの良い用量ではあるが、特に活発な大学生なら全員が飽和状態になりえない可能性が高い)
  • ANAM課題が使用され、対象とされた健康的な大学生には、簡単すぎて差がでにくい
  • サンプルが22で、クロスオーバー比較試験じゃない。
まとめ

ということで、McMorrisの調査が信頼性が高いようですが、睡眠不足時において気分・実行能力の維持については、まだ決着がついてないようです。

ただ、McMorrisの最初の調査でも16時間では変化なく、クレアチン摂取しているからといって体感できるような効果は期待できないでしょう。

この3つの調査の対象は、みんな健康的な大学生なんですよね。第2回は、ベジタリアンを対象とした調査についてまとめたいと思います。

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